歯周病と体の関係~肝臓の病気にも影響?!

投稿日:2021年6月21日

カテゴリ:スタッフブログ

こんにちは。

稲毛海岸駅から車で4分の稲毛海岸メディカルセンター2階にあるKT歯科・矯正歯科です。

 

心血管疾患や糖尿病、認知症など全身疾患と関係している歯周病ですが

肝臓の病気との関係も疑われてきました。

今日は肝臓病と歯周病の関係についてお話しします。

歯周病の原因や進行、全身とのかかわりについては

歯周病とは?歯周病の予防と全身への影響も併せてご参照ください。

 

肝臓病とは

歯周病との関係についてお話しする前に

肝臓病とは何かお話しします。

 

肝臓の病気というとお酒の飲みすぎによる肝硬変や

ウイルスの感染によるB型肝炎、C型肝炎などがありますが

脂肪が異常に蓄積された状態を”脂肪肝”といいます。

成人の4人に一人がかかっているといわれています。

肝臓は摂取されたエネルギーの一時保管場所ですが

摂取した分のエネルギーが使われないと

肝細胞に中性脂肪として蓄えられていきます。

 

肝臓の機能はやや低下する状態となってしまいますが

”脂肪肝”自体はそこまで深刻な状態ではありません。

しかし脂肪肝が問題となるのは

数十年かけて脂肪肝炎や肝硬変、肝臓がんへと進行していく可能性があるからです。

 

脂肪肝は健康診断や人間ドックで行われる腹部超音波や血液検査で分かります。

血液中に含まれるALT(GPTともいう)の値が大きいほど

肝臓がダメージを受けているということがわかります。

ASTという値も判断材料として使われますが、

ASTは肝臓以外にも心臓の病気などでも影響を受けるため

脂肪肝の判断にはALTが重要です。

 

歯周病と肝臓病の関係は?

脂肪肝について知ったところで、歯周病とのかかわりについてお話しします。

 

脂肪肝が進行した脂肪肝炎の患者さんのお口のなかの

歯周病の治療をしたところALTの値が下がったことから、

ある研究で脂肪肝炎の患者さんと歯周病菌の関係を調べたところ

脂肪肝炎の患者さんのお口の中には歯周病菌(PG菌)が多く存在することがわかりました。

そこで”脂肪肝の方のお口にPG菌が多く存在したら脂肪肝炎になるのか”調べられました。

この実験はマウスで行われましたが

脂肪肝のマウスの口にPG菌が多く存在すると脂肪肝炎になることがわかりました。

マウスでの研究ですが、人間でも同様のことが言えるのではないかと推測されています。

 

なぜPG菌が脂肪肝を脂肪肝炎に進行させてしまうのでしょうか。

PG菌が炎症を起こした歯ぐきから体内に入りこみ

血流にのって肝臓に運ばれ

血流の遅い肝臓にPG菌が停滞し毒素を分泌することにより

肝臓のエネルギー分泌を抑えてしまうので

脂肪の蓄積と炎症が起こってしまうと考えられています。

 

歯周病は全身の病気と深くかかわっています。

歯周病はしっかりと治療してお口の中から全身の健康を守っていきましょう。

歯周病はそのままにしていても自然によくなることはなく

そのままにしていると進行してしまいます。

当院では定期的な検診、予防歯科にも力を入れて行っています。

ぜひ一度ご相談ください。