すっぱいもので歯が溶ける?!酸蝕症とは?酸蝕症の症状や対策、治療
投稿日:2021年5月17日
カテゴリ:スタッフブログ
こんにちは。
稲毛海岸駅から車で4分稲毛海岸メディカルセンター2階にあるKT歯科・矯正歯科です。
虫歯や歯周病のお話はしてきましたが、
それらに続く第3の疾患”酸蝕症”についてお話しします。
酸蝕症とは
歯は外側をエナメル質という
人体で最も硬い組織でおおわれています。
しかし、
このエナメル質は強い酸の影響を受けると
溶けて、象牙質がむき出しになってしまいます。
これを”酸蝕”といいます。
象牙質は柔らかいのでむき出しの状態になってしまうと
歯をかみ合わせたり、歯ブラシが当たることでどんどんすり減っていってしまいます。
この状態を放っておいてしまうと知覚過敏になったり、
虫歯が進行しやすくなってしまいます。
強い酸により歯が溶かされ病的な状態になってしまっている状態を”酸蝕症”といいます。
酸蝕症の原因
酸蝕症の原因には体の中で作られる物質による”内因性”のものと
体の外から取り込まれるものによる”外因性”のものがあります。
内因性の原因
内因性の主な原因は胃液の影響と考えられています。
食前空腹時の胃液pH値は1.0-2.0ととても強い酸性を示し
口腔内に逆流すると歯が溶け出してしまいます。
胃液の逆流が起こる疾患としては
・逆流性食道炎
・拒食症、過食症などの摂食障害による嘔吐
・アルコール依存症
などがあります。
外因性の原因
食生活習慣の変化に伴う酸性飲食物の過剰摂取が
主な原因と考えられています。
・みかんやグレープフルーツ、
レモンなどの柑橘系の果物や
果汁からつくられたジュース、
梅干し
・ビタミンCなどを含む酸性のビタミン剤やサプリメント
・アスピリンなどの酸性の薬剤
・炭酸飲料、黒酢、栄養ドリンク、ワイン、スポーツ飲料
ほかに職業性因子として
メッキ工場やガラス工場などにおける
酸性ガスの吸引によるなどによるものもあります。
対策や治療
普段お口の中は中性のpH7くらいに保たれています。
pH5.5以下の酸性になってくると歯は溶けやすくなっていきます。
上記に上げたような食べ物、飲み物は食べてはいけないのではなく
以下のことに気をつけながら、おいしくバランスよく摂取してください。
酸蝕症を防ぐためには、
①酸性飲食物をだらだら食べない。飲まない
②酸性の飲食物を口にした後は水で口をゆすぐ
③寝る前には酸性の飲食物をさける
といった対策が重要です。
①のだらだら食いは虫歯予防でも大切です。
(どうして虫歯になるの?脱灰と石灰化って?の記事も参照してください。)
②は上記で述べたように酸により歯が溶かされて脆くなっているので
酸蝕症の対策としてはすぐに磨くのではなく、先にうがいをしてから磨くか
30程度たってから磨くと歯を傷つけずに済みます。
③は就寝時は唾液の分泌が減るので、中性に戻しにくくなってしまうからです。
生活に困らない、欠損がない状態では
食生活の見直しやフッ化物塗布など予防処置を行いますが
症状が進んで欠損などを伴う場合にはコンポジットレジンなどによる修復処置も行います。
虫歯予防、歯周病予防と同時に”酸蝕症”という病態も知って必要な対策をしましょう。
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